EDUCATION / 教育

薬物乱用防止・医薬品教育

学校薬剤師は、薬の専門家として子どもたちの前に立つ数少ない存在です。「ダメ。ゼッタイ。」の先にある、自分で判断し助けを求められる力を育てる授業を。

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薬物乱用防止教室

政府の「第六次薬物乱用防止五か年戦略」(令和5年8月)では、薬物乱用防止教室をすべての中学校・高等学校で年1回は開催し、小学校でも地域の実情に応じて開催に努めることが目標とされています。講師は警察職員、麻薬取締官OB、学校医、そして学校薬剤師などが務めます。

開催状況(令和5年度)

学校段階開催率
全体83.6%
小学校段階79.4%
中学校段階90.0%
高等学校段階87.0%

出典:文部科学省「令和5年度における薬物乱用防止教室開催状況調査」

目標の「中・高全校」には届いておらず、学校薬剤師が講師として関わる余地は大きいと言えます。

医薬品の正しい使い方(中学校・高校)

中学校学習指導要領の保健体育(保健分野)では、2012年度(平成24年度)の全面実施から「医薬品の正しい使い方」が扱われています。高等学校でも医薬品の制度や適正使用を学びます。保健体育教員・養護教諭・学校薬剤師によるチーム・ティーチングが提唱されていますが、実施状況は学校により差があると報告されています。

  • 主作用と副作用、用法・用量を守る理由
  • 医療用医薬品と一般用医薬品(OTC)の違い、薬剤師への相談
  • 飲み合わせ・水以外で飲む影響(実験を交えると効果的)
  • お薬手帳、セルフメディケーションの考え方

市販薬の過量服薬(オーバードーズ)

近年、10代による市販薬の過量服薬が社会問題になっています。違法薬物だけでなく、身近な市販薬も「使い方次第で危険になる」ことを、責めるのではなく困ったときに相談できる大人や窓口につながるメッセージとともに伝えることが重要です。

授業づくりのコツ

  1. 学年に合わせる:小学生には「薬とからだ」の基本と断り方、中高生には依存のしくみと社会的影響、SNSでの誘いへの対処。
  2. 体験を入れる:カプセルの溶け方、ジュースと薬の反応などの演示実験。
  3. ロールプレイ:誘われたときの断り方を実際に言ってみる。
  4. 学校と目的を共有:教員の授業とのつながり、事前・事後の指導を相談。

授業スライドや指導案の共有はコミュニティの「教材シェア」へ。

アンチ・ドーピング

運動部の生徒が大会に出場する際、市販のかぜ薬やサプリメントに禁止物質が含まれることがあります。部活動顧問や生徒への情報提供に、学校薬剤師やスポーツファーマシストが関わることができます。

出典・参考資料

  1. 薬物乱用防止教室(文部科学省)
  2. 令和5年度における薬物乱用防止教室開催状況調査(文部科学省)
  3. 薬物乱用防止における薬剤師の役割(嶋根卓也, ファルマシア 2018)
  4. 中学校におけるくすり教育の実施実態と学校薬剤師に求められる役割について(金澤ほか, 社会薬学 2018)

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