必要な資格
学校保健安全法第23条第3項は、学校薬剤師を「薬剤師のうちから、任命し、又は委嘱する」と定めています。資格要件は薬剤師免許のみで、別の認定資格や試験はありません。
ただし実務では、環境衛生検査の方法、学校という組織の動き方、授業の組み立てなど、薬局・病院とは違うスキルが求められます。地域の薬剤師会・学校薬剤師会の研修で身につけるのが一般的です。
委嘱までの流れ(一般的な例)
- STEP 1地域の薬剤師会に入会する
多くの地域では、学校薬剤師は都道府県・市区町村(地区)の薬剤師会を通じて推薦されます。まず勤務地・居住地の地区薬剤師会に相談を。
- STEP 2学校薬剤師会・部会に参加する
薬剤師会内の学校薬剤師部会(地域によっては独立した学校薬剤師会)で、研修や検査の実習、先輩薬剤師の同行の機会があります。
- STEP 3欠員・新設校の情報を得る
担当者の退任や学校の新設で欠員が出ると、薬剤師会から推薦候補として声がかかります。希望を事前に伝えておくのが近道です。
- STEP 4教育委員会等から委嘱される
公立学校は設置者である教育委員会、私立学校は学校法人が委嘱します。委嘱状の交付、報酬・任期の確認を行います。
- STEP 5前任者・学校と引き継ぎ
過去の検査記録(定期検査は5年保存)、学校保健計画、機器の保管場所、連絡窓口(養護教諭・保健主事・事務)を確認します。
最初の1年に向けた準備
1. 基準と方法を読む
学校環境衛生基準と文部科学省の「学校環境衛生管理マニュアル」を一通り読み、自分の担当校で行う検査を把握します。早見表を印刷しておくと便利です。
2. 年間計画を学校と決める
検査は時期が重要です(揮発性有機化合物は温度の高い時期、プールは使用期間中など)。4〜5月に養護教諭・保健主事と相談して学校保健計画に組み込みます。年間業務カレンダーを参考に。
3. 学校の「人」を知る
窓口は多くの場合、養護教諭です。校長・教頭、保健主事、事務職員(修繕や発注の担当)、理科主任、給食担当とも顔を合わせておくと、事後措置が進みやすくなります。
4. 記録の型をつくる
日本薬剤師会の学校環境衛生検査票など、地域で使われている様式に合わせて記録します。執務記録簿の提出も忘れずに。
検査機器について
検知管・照度計・騒音計・DPD残留塩素計などの機器は、薬剤師会や学校薬剤師会が貸し出す、教育委員会が配備する、個人で所有するなど、地域により様々です。揮発性有機化合物やダニアレルゲン、細菌検査などは検査機関へ委託することも多くあります。機器の較正や使用期限(検知管・試薬)の管理も学校薬剤師の責任の一部です。
本業との両立
- 検査は授業中に行うものが多く、平日日中の時間確保が必要です。勤務先の理解を得て、年間の訪問日を早めに確定させましょう。
- 1回の訪問で複数項目をまとめて測る、日常点検の記録を事前に送ってもらうなど、効率化の工夫が各地で共有されています。コミュニティで聞いてみてください。
学び続けるために
出典・参考資料
- 学校保健安全法(昭和33年法律第56号)(e-Gov法令検索)
- 学校にいる薬剤師・学校薬剤師(日本薬剤師会)
- 学校薬剤師とは(学校薬剤師になるには)(高知県薬剤師会)
- 学校薬剤師リンク集(各地の学校薬剤師会)(日本薬剤師会)
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